【用語集】道具

《テレポートチケット》
 念じるだけで、特定の場所に瞬間移動できるチケット。メーション使いが実際にテレポート先まで赴き、長時間の作業を経て作製される。使用回数は、作製者の技量やチケット本体の物質などで増減する。空間操作を得意とするメーション使いの稀少性から、チケットの供給が少ないため、その価格は旅客機のファーストクラスを軽く上回るという。

《支給用テレポートチケット》
 バトル・アーティストに無償支給されるテレポートチケット。BASドーム行き、各アーティストの自宅行きの二種がある。やはり回数制限がある為、無計画には使えないが、これを全アーティストに安定供給できるBASの資金力足るや恐るべし。

試合ライブ招待用テレポートチケット》
 アーティストが身内や親しい人をライブに招待する為のチケット。公式ライブが近くなると、会場行き用と復路用チケット(主にアーティスト宅行き)の二種が、アーティストに支給される。招待された観客は、無料で特等席にて観戦できる権利が得られる。関係の深い観客の応援こそがライブを盛り上げるという、BASの経営戦略を象徴する道具とも言える。

《テレポート装置》
 二基一組の円筒状の装置。双方稼働した状態で中に入れば、対となる装置の内部まで瞬間移動できる。主にBASドームと出張ライブの会場を行き来するのに使う。なぜ運輸業に転用しないのかと指摘されがちだが、コストや安全性以上に法律で参入規制されている点が大きい。これは既存業者と癒着した官僚や政治家の仕業で、新規参入業者から業界を”保護”する代わりに、賄賂や接待を受け取っているのだ。

《スカイランナー》
 メーションを動力とした空飛ぶ乗り物。キックスケーターのような形状をしている。一人用の場合、価格は高級自動車一つ買えるくらい。乗るためにはある程度の練習が必要だが、熟練したメーション使いなら容易く乗りこなせる。だが長時間の乗車は、肉体的にも精神的にも負担が大きいし、悪天候時の飛行が懸念されることから、意外と普及していない。例によってBASからアーティストに、一人一台支給されているが、メーションに疎い者にとっては無用の長物。

《メーション定着剤》
 メーションで創られたもの、あるいは物質に付加したメーションを、長時間保存する時に使うもの。通常メーションは時間経過で劣化し、最終的には霧消する。永久的にメーションを存続させることは不可能だが、これのおかげで炎の力が籠った剣や、メーションで創られた服などを、商品として売り出せるのだ。効果時間は数時間程度の安物から数十年単位の高級品まであり、価格も比例して上昇する。

抗メーション物質A M M弾》
 AMMが配合された銃弾。メーションを使う人間、動植物に対抗する弾として、レイラに広く普及している。AMMの配合割合を増やすほど、抵抗力が上昇する一方、物理的性能が低下する。バランスを取るために、拳銃用のAMM弾は抵抗力を小さく、対物ライフル用のAMM弾は抵抗力を大きくするなど、火器の威力に応じた抵抗力を設定するのが一般的。